鍼灸治療が初めての方へ
初めての方の中には、痛いんじゃないか?、熱いんじゃないか?、病気がうつるんじゃないか?と思っておられて、中々受診まで踏ん切りがつかなかったと仰る方がおられます。
国民の鍼灸治療受診率が人口の4-6%と言われる中、皆様に、少しでも鍼灸治療の良さにふれ、病院以外にもこんな良い方法が有る事を判って頂き、地域の方にお気軽に受診して頂きたく思います。
この3つの心配についてQ&Aにつづっています。
ご理解頂けると嬉しいです。
Q&A
1、鍼治療は痛くないですか?
鍼治療に使用する鍼は、裁縫針や注射針とは先端の型状に違いがあります。又、使う漢字も違います。
注射針は先端がナイフ型をしている為皮膚を切って刺入しますが、鍼治療の鍼は松の葉っぱ型をしていますので皮膚
を分け入る様に入ります。その為皮膚の損傷が軽微なので痛みを感じにくくなってます。
又、鍼を打つトレーニングは今でも鍼灸師会や学会で行っていますし、大切な道具である鍼の扱いも慎重に操作し
ます。鍼治療には様々な技法や用いる鍼には種類がありますので、未経験の方で心配される方には、皮膚上で鍼を操
作する接触鍼法や小児専用鍼を使っての無痛治療も可能です。
時にチクッとする場合もありますが、蚊に刺される程度の刺激痛です。お身体の状態によっては、あえてチクッと
させる方法も取りますが、むしろ病んで弱ったお身体にはチクッとした刺激も活性化させる為には良い結果となりま
す。初めての方の治療後の感想では「思っていたのとは全く違った。」「いつ刺してもらったか分からなかった。」
「全く痛く無かった。」とか仰って頂けます。
治療に慣れた方には、ツボや不快部分に刺入すると一定の深さで重い感覚、ド~ンとした鈍重感を感じてもらう事も
あります。患者様によっては「あ~そこそこ、そこが辛いとこやねん」と仰います。辛い箇所に手が届く鍼治療の心
地良さです。どうぞご安心ください。
2、灸治療は熱くないですか?
最近ではあまり見かけませんが、明治、大正、昭和初期のお生まれの方の中には多くの方が、自宅でお灸をすえた
灸痕が残っていました。その時代を生きた方は今ほど医療機関も無くご自身で体の不調や痛みに対処されていまし
た。この様に直接肌の上で艾を燃焼させる直接灸ではお灸の痕は残りますし熱いです。素人が行えばなおさらです。
ところが病んだ身体、症状によってはツボの感覚が鈍くなっており、熱さよりも心地良さが勝る場合が多いので、
次回以降も希望される方が多くあります。艾の大きさ、硬さ、燃焼時間を適宜選択しますと、熱さは調節可能で耐え
られない熱さは無く、灸痕も時間とともに消えます。当院では、竹筒を使用した「深谷灸法」で行いますのでより熱
さを感じにくくなっています。もちろん、無理に耐えて頂く必要もありませんし他の方法で治療は受けて頂けます。
又、肌と艾を離した間接灸では、紙筒に艾が設置され肌から間隔が空いている構造の温灸や枇杷の葉エキスとお灸
を組み合わせた枇杷の葉温灸、一合枡を使った箱灸等があり、いずれも温感が持続し温まります。当院では温灸をメ
インに使っています。「病を焼き切るって」言葉がありますように、お灸治療が適応した時には素晴らしい効果があ
ります。決して古い野蛮な治療ではありません。むしろ現代医学の投薬のみでは頭打ちの症状に対して試してみる価
値は充分にあります。
3、衛生面は大丈夫ですか?
病原菌による院内感染は誰もが心配するところですが、当院の取り組みとしては次のように行っていますので
安心してください。
・使用鍼は、エチレンオキサイトガスで滅菌済みの未開封新品を、一回限りで使い捨てます。
・器具においては、超音波洗浄器と高圧蒸気滅菌器で洗浄滅菌済みのものを患者様ごとに取り替えます。
・フェイスタオル、患者着、ベッドシーツも患者様ごとに取り替えます。
・院内スリッパは一回使用ごとに薬品消毒を行っています。ご使用後はスリッパ立てに戻さず使用済み箱に入れ
てお帰りください。
・使用済み鍼は感染性医療廃棄物に該当しますので、契約先の専門の廃棄物処理業者が収集と運搬を行ますので
市のごみ収集には出ません。